「あ。みさとちゃん。おひさしぶり」



玄関に出た美歌は、ゆりの友人だったみ

さとの姿を見ていた。



「おひさしぶり、美歌ちゃん」



「いま、ごはん食べてるとこだけど、み

さとちゃんもあがってよ」



そんな会話をしていると、美歌の母親も

顔を出して来たのだ。



「あ。みさとちゃん。おひさしぶり。

よかったらあがっていって」



「あ……ご迷惑じゃ……」



「そんなことないから。どうぞ。

遠慮なんてしないで。ほらっ」



「じゃあ……お邪魔しますね……」



みさとは、久しぶりにゆりの家に入って

行くのだ。


表情には出さないものの、この寂しさに

包まれている家庭に、嫌悪感を感じなが

ら。