ガチャ!

「ハァハァ…」

俺は香の家が開いていることは
あまり不思議に思わなかった…

裸足で走っていたからな……


ドタドタッ!!


階段をかけ上がる
音が家中に響く

俺は昔、香の家で
遊んだことがあるから
香の部屋はわかる……

カチャ


ボフッ…

「フー………」

俺は香をベッドの
上へ乗せた

ベッドの上でスヤスヤと
寝ている

俺はベッドに頬杖を
ついた

「いったい…どうしたんだよ……」

香に語りかけるが
反応しない…………当たり前だよな

すると……


ドタドタッ!!


「!?」 
 
階段を上がる音がする
そして、

「香ーー!!!」

「!!………博史!?」

俺は驚いた
部屋に入ってきたのが博史だったから

「……って…香はどっか
いったんだった……ん?
うぉ!?一輝!おまっ…なんで
いるんだ!!
って…香もいたーー!」

一人で話す博史は
まるで俺の存在に気づいて
いなかったようだ……

………ん?
でも、香がどっかに
出ていったっていうことは
博史は香の側にいたということか?