現実逃避とはなかなかできたものではない。
逃げても逃げても、あるいは逃げきれたと思っても、結局は現実の中にいるのだと感じずにはいられなくなる。

もし本当に逃避できたやつがいるのなら、そいつはよっぽど頭が狂っているか、非現実に巻き込まれたかのどちらかだろう。


とか思いつつ、目の前には一枚の紙がある。


「進路希望調査」

特にやりたいことなんてない。
だから普通に四年制の大学に行って、ゆっくりキャンパスライフを送るんだろうなー、なんて悠長に思う。
まぁ、四年通ったところで、やりたいことが見つかるとは到底思えないが。


シャーペンを指先でクルクル踊らせながら、とりあえず恒例の現実逃避を始めてみた。