ーsideアレスー
俺、エル、メイドのパティとミリヤの部屋に行く事にした。…誤解を解くために。
だが、ミリヤ、ユウキは先に部屋に着いていた。俺たちの足音だけでミリヤはユウキの背に隠れてしまった。体を縮こませ、俯いている。だが、ユウキの袖口を掴んで『どこにも行かないで』と言ってる様だった。
ミリヤがユウキを信じてる…!
俺だと無理だったのに…。
ユウキが『団長、副団長、メイドのパティ』と言うと『団長』の言葉で顔を上げた。…目が潤んでる。
ユウキが「大丈夫です」とミリヤを促し、ユウキは掴まれてる袖口をそのままで俺が話しやすい様に少し横にずれた。
「ミリヤ。ピアノ凄くキレイな音色だった。王子として公務でピアノのコンサートとか聞きに行くこと有るけど、プロ以上の腕だったよ。思ったよ『これが本当のピアノなんだ』って俺が『もう一曲』って言ったのに、ごめんな?」そう言うとミリヤの頭を撫でようとしたが──避けられた。
「ユウキさんにいろいろ聞いたので、お兄さまは大丈夫です。ですが、頭の中を整理するのに少し、時間を下さい。」もう話す事は無い、そう言わんばかりにまたユウキの後ろに隠れてしまった。エル、メイドについては弁解の余地無し、か。…厳しいな。


