「あの場に居た人は皆、ミリヤ様のピアノを悪く思ってる人はいません。…もし、不安を拭いきれないなら、『皆を』ではなく、私を信じて貰えませんか?」少しでも、ミリヤ様の不安を取り除ければ、と掛けた言葉。…この言葉は決して違えない。

一騎士として、



一人の男として。

叶うことが出来ない恋でも、守る事は出来る。

「ユウキさん。…お願いします。」そうミリヤ様が言った。

───日だまりの様な温かい微笑みと共に。

ーミリヤ様の自室ー

ミリヤ様の自室まで送り届けると、廊下から人が来た。

ミリヤ様は咄嗟に俺の後ろに隠れてしまった。

──信じて貰えてる。俺はその事に喜びを覚えたが、顔には出さないで

「大丈夫です。団長、副団長、メイドのパティです。」『団長』の言葉に反応し「お兄さま?」と俯いていた顔を上げた。