「優愛、お前可愛すぎ。そんな声出されたら止まんなくなるから」

そんな声ってどんな声?

晴翔の言葉に疑問を抱きつつ、私は言った。

「晴翔くん、何その服…?」


晴翔くんの右手に握りしめられている服を見て首を傾げた。

服は、晴翔くんのTシャツを着ていたから、明らかに女物の服を見て、どうせならその服を貸して欲しかったなぁと少し思った。


「あぁそうそう、この服誰のかわかんなかったから優愛に着せたくなかったけど…外行くのにその格好は流石にヤバいからこれ着ろ」

そう言って晴翔は服を渡してきた。


「どこか出かけるの?」

晴翔に後ろを向いてもらい、渡された服に着替えながら言った。


「あぁ、優愛の物、沢山揃えなきゃいけないだろ?」


「そんな…」

悪いよ、と言いながらも内心嬉しかった。誰かと一緒にお買い物へ行くなんてこと、なかったから。