「…なんだよ。もうほっといてくれ……」
「嫌です…っ。ほっとけません…!」
即答だった。
俺はつぼみちゃんを引き寄せ壁に押し付けた。
壁に手をつけ、彼女の逃げ場をなくし言い放った。
「なんでそんなに俺に構うの?ひょっとして、俺のこと好きとか?」
冗談半分で言ってやった。
もう気が狂いそうで、どうにでもなれって思った。
周りに人はまったくいなく、俺の声だけが住宅街に虚しく響く。
「……そうですよ」
「…え?」
バッと顔を上げたつぼみちゃんは、涙目で顔を真っ赤に染めていた。
「圭先輩のこと、好きなんですよ…っ!!馬鹿ぁ……」
そう言うと子供のように声をあげ泣き出した。

