行くあてなんかなくて、ただひたすらに走った。



しばらくすると力尽き、足を止めた。



吸って。吐いて。こうして息ができる。



俺は生きてる。



でも春香ちゃんは……もう、生きてない。



そう思う度に次々と涙が溢れ出してきた。





「圭先輩…っ!!」





俺を追いかけてきたのか、息を切らしながらつぼみちゃんが走ってきた。


つぼみちゃんは俺の気持ちを知っている。


なのに…なんで追いかけてくるんだ?


できればほっといてくれよ。


無性に腹がたってきた。