それともオレが気づかなかっただけ? 『あいつを絶対、幸せにする』 いつかの圭との話を思い出した。 なんだよ。 幸せにするどころか……想いも伝えてないまま見殺しにしてんじゃねぇか…。 学校につき、屋上へ向かった。 いつもの錆びた扉を開けると、タイミング悪く雨が降り出してきた。 オレは構うことなく屋上へと足を踏み込んだ。 『まこちゃん』 まだ耳の奥に春香の声が残ってる。 もう、その愛しい声を聞くことはできない。