あの夏、いなくなった君。~ずっとずっと大好きです~




平日の昼間、トボトボと制服のまま歩いているせいか周りの視線を集めてしまう。



だがそんなの気にしてられない。




オレの頭は『春香が自殺した』という事実を受け止められずにいた。




きっと何かの間違いだ……そう思って夏祭りの日、春香が搬送されたという病院に駆けつけた。




そこでオレを待っていたのは……圭と、宮本と、泣きじゃくる春香の両親。



そして……白い布で顔が隠された少女。



震える手でその布を取った。




春香だった。





眠ってるだけみたいだが、触れるとそこからじわじわと冷たさが伝わってきた。





すぐにわかった。




“死んでる”って。






『目撃者の証言で、赤信号の道路に飛び出したらしく……前は見ていたとのことから自殺かと…』





そう検察官が淡々と話した。



自殺?

春香が?



いつも笑ってたじゃんか。


悩みなんてなさそうな顔して。