新学期。 本来なら二学期が始まり始業式が開かれているはずだった。 だがオレの耳に聞こえるのは校長の長い話ではなく、見知らぬお坊さんの頭に響くお経。 周りからはすすり泣く声も聞こえてくる。 「春香…春香ぁぁ…!!」 あそこで泣いているのは春香のお母さんだろうか。 春香は一人っ子だったらしい。 たった一人の娘がいなくなったんだ。 悲しくないわけがない。 ……今、春香のお葬式が開かれている。