楽しい時間はあっという間に過ぎ、もう春香と別れる交差点についた。


明日から夏休みだから、しばらく春香に会えない。


そう思うとなんだかまだ一緒にいてたい気もする。



「じゃあねまこちゃん。またお祭りでね!」



「…あぁ」



春香は笑顔で手を振り、オレの方を振り返ることなく歩いていった。


それを見えなくなるまで見送り、オレも歩き出した。


昼間よりだいぶ気温は下がったが、やっぱりまだ暑い。


暑さには弱いからか朦朧としながら家路を歩いていると、視界にオレのよく知る人物が入った。


思わず足を止め、そいつと目を合わす。



「圭?」



そこにはもう帰っているはずの圭がいた。




「…ちょっと時間ある?誠」