桜の木もすっかり緑の葉を茂らせ、セミの鳴き声で辺りは響きわたったいる。 なにもしてなくても汗がにじみ出るぐらい暑い。 だから夏は嫌いだ。 だからといって冬も好きじゃないけど。 「そういえば今年のお祭りの花火、豪華らしいよ!」 不意に春香がそんな話を持ち出してきた。 「へぇ…」 花火なんて興味ないけど、春香がキラキラした目で話をしてくるから少しだけ興味が湧いてくる。 だがオレが素っ気ない返事をしたせいか、春香はシュン…と肩をすぼめた。 「興味ないの?お祭り…」