中学のとき、誠の家庭事情を聞いた。
そんとき決めたことがある。
親友として、誠の幸せを見つけてあげようって。
こいつには心から安心して過ごせる、居心地のいい場所が必要だ。
そのために俺ができること。
そんなこと限られてくるけど、協力できることはやるつもりだ。
……そんなある日、誠が妙に機嫌がいい日があった。
冗談で「女だな？」とか言ってみるとまさかの図星らしい。
本人は認めてないけど。
まさかあの誠が気になるような女の子が同じ高校にいるなんて。
どんな子か気になっていた矢先、その子は俺の前にも現れたんだ。
