あいつとは小学校の頃からの仲。
いつも一人つまらなさそうな顔して窓を眺めてる誠。
“なんであんなにつまんなさそうな顔してるんだろ”
そんな好奇心に、幼い俺は誠に構うようになった。
『このカードゲーム知ってる?』
『……』
『一緒に外でサッカーしようよ!』
『…』
『一緒に帰ろ、誠!』
『…うん』
しつこく話しかけて行くと、次第に心を開いてくれた。
初めて声を聞けたとき、どんなに嬉しかったか。
話してみると結構飽きない奴だった。
世間を何も知らなくて、外でも遊んだことがない誠。
でもその分気を使わないから、だいぶ気が楽だった。