向かった先と言うのは、屋上。 家に帰ってもオレの居場所がない。 そう思うだけで家路への足取りは重く感じた。 だからオレは少しでも家にいたくなくて、放課後は屋上で過ごしてる。 入学式屋上にいたのもそういうわけ。 どうせオレが家に帰らなくてもあの親は気づきもしないだろう。 『必要とされてない』 一言で言えばそうなる。 もう慣れた。 “愛”のないご飯。 “愛”のない会話。 “愛”のない“愛情” 全部全部、空っぽだった。