…どれくらい眠っていただろう。


三十分…いや一時間は寝ていたかもしれない。


そろそろ入学生も家に帰り家族で入学祝いでもしてる頃か。


そろそろオレも帰ろうかな…。


そう思いまだ寝足りないのか、重い瞼を開くと目の前には先ほどの青空……


ではなく、見知らぬ少女のドアップな顔。



「きゃぁぁあ!!」



少女の高い叫び声が屋上に響き渡った。


なにをそんなに驚いたのか、さっきまで目の前にあった少女の顔が、屋上の隅の方まで遠くなっていた。


むくっと起き上がると少女は肩をビクッと揺らした。



「……なに?」



寝起きで不機嫌気味にそう問いかけると、少女はオロオロしながら口をパクパクさせていた。


まるで釣り上げられた魚だな。



「いやっ…その……綺麗な顔だなって…」



「は…?」