「……どうしてですか?家に行ったって…春香が死んだ事実はなにも変わりませんよ」
オレはその問いかけに拳にぐっと力を入れて答えた。
「確かにそうかもしれねぇ。けど、オレは春香が自殺するような奴とは思わないから」
誰よりも生き生きしながら笑っていた。
誰よりも無邪気に笑っていた。
誰よりも…幸せそうだった。
「オレはなんで春香が死んだのか、理由が知りてぇんだ」
しーんと静まり返るなか、遠くの方から生徒たちのざわめきが聞こえてくる。
すると宮本は制服のポケットからメモ帳とペンを取り出した。
スラスラっとメモ帳になにかを書くと、それをオレに差し出す。
「これ、春香の住所です」
「あ、ありがとな…!」
「あと、私も春香の家行きます」
「え?」
「私だって…春香の友達としてなにかしないと…っ」
そう言いながら、なにかを決めたようにガッツポーズをする宮本。

