「お前には関係ねぇよ」




そう冷たく言ってやった。




「関係なく……ないもん…」



「……心愛?」




心愛の目には、なぜか涙が浮かんでいた。


なんで…お前が泣くんだ?


意味のわからないことに戸惑っていると、心愛が近づいてきた。


そしてオレの目の前で足を止めると、口を開いた。





「お兄ちゃん…春香のことまだ気にしてるんでしょ?」




「……は?」





なんで心愛が、春香のこと知ってるんだ?


いや、不思議なことじゃない。


心愛も春香も同じ一年生。


知っていてもおかしくない……だけど、春香とオレが顔見知りというのは一部の人しか知らないはず。




「なんで…春香が今出てくるんだよ…」



「好きだったんだよね?春香のこと」



「は!?」




まさかの図星をつかれ、さすがに動揺を隠せなかった。


だが春香は構いもしないで言葉を続けた。




「お兄ちゃんがそんなんじゃ……春香だって悲しいよ!!今お兄ちゃんができることやればいいじゃん!!」




「……うるせぇよ」