そう思いオレはフェンスを飛び越えた。


あと一歩足を踏み出せば、オレの体は重力で下へ落下する。


この高校四階建てだから、頭からいけば死ぬよな。




「春香……」




今、そっち行くから。


オレ、お前に話あるんだよ。


お前のことだからオレの目を真っ直ぐ見て聞いてくれるんだろうな。


あんま真っ直ぐ見んなよ……照れるから。



あと、一歩。


あと一歩で春香に会える。






……でも…なんでだろう。


足が震えるんだ。





「怖ぇよ…春香……」





怖い。


怖いんだ。オレ。


死ぬことが…怖い。



春香は道路に飛び出したとき、前見てたんだろ?


怖くなかったのか?


痛かっただろ?



オレ……こんなに弱かったんだ…。