全力恋愛。

学校へ着くと教室より先に屋上へと向かう。
錆び付いた重いドアを開けると、風になびく少し茶色がかった髪が目に入った。
「おはよー優。」
「おーっす。」
こっちをみもせずに返事を返す優。
地面に寝転がりながら、晴れ渡った今日の空をみつめていた。
「もうすぐチャイムなるんか。」
「うん、なるよー」
「うっし。じゃあいくかぁー」
「ん。」
気の抜けた優との会話。気を遣わなくていいこういう貴重な会話が美絵は好きだった。
髪をがしがしとかきながら立ち上がって大きなあくびをする優には
「無気力・適当」の言葉がぴったりだ。美絵は毎朝必ず屋上にいる優をチャイムがなる直前に迎えに行くのが日課だった。