㈱恋人屋 ONCE!

「ん…。」
窓から光が差し込む。
「紗姫!」
私を呼ぶ声が聞こえる。ゆっくり意識が戻ってくる。それと同時に、激しい痛みも。…よかった。感覚があるってことは、生きてたんだ…。
「紗姫!目を覚ましてくれ!」
私はゆっくりと目を開けた。そこには、心配そうに私を見つめる、菜月くんと先輩達がいた。そして、その私はベッドに横になっていた。
私は、病院にいた。
「あ…。」
「紗姫!」
菜月くんが私を抱きしめる。
「ちょ、ちょっと新海君、紗姫ちゃんはケガ人なんだから…。」
「いいんです、先輩。…私を大切に思ってくれる人が、まだいたんですから…。」
「何言ってんの、紗姫ちゃん。私達は、皆紗姫ちゃんの仲間だよ?」
「なかなかいいこと言うじゃん、長岡。」
「ふふ~ん。悔しかったら言ってみなさい、鷺宮。」
「なっ…。」