㈱恋人屋 ONCE!

「お前、それは…。」
薄暗くてよく見えなかったが、私には何となく想像がついた。
「ああ。さらばだ、我修院。爆発とともに、この世から。」
榊は手に持っていた物体を投げた。恐らくだが、これはある程度の衝撃を加えると…爆発する。
私は痛みも忘れ、爆弾の落下予想地点へ駆け抜けた。すぐ近くで倒れた仲間のバットを手にして。
爆弾は地面との距離を確実に縮めている。私はバットを突き出し、爆弾に当てた。
「ドォォォン!」
けたたましい爆音が響く。炎が上がり、爆風が巻き起こる。だが、私はここで倒れるわけにはいかない。私は全力を振り絞り、その場にとどまった。
「…?」
「爆弾なんて、ずいぶん荒っぽい手を使うのね。でも残念。爆弾は、確実な影響を見込んでいないと、使用はお勧めできないわ。」
「ふざけやがって…。」
「さぁ、勝負よ。どこからでもかかってきなさい。」