㈱恋人屋 ONCE!

「姉御!」
紫龍組の組員が私の方に駆け寄ってくる。
「甘い…!」
榊が私が手放したバットを握り、私の方へ駆け寄る皆をなぎ払う。
「ぐぁぁぁっ!」
周囲に吹き飛んでいく紫龍組。残りの戦力は…私だけだ。
「さて、これで分かっただろ?お前らの時代は終わったんだよ。」
私は、ただ呆然と榊を見つめていた。
「お?目移りしたか、副総長?」
バタフライナイフがギラリと光る。私は、死を覚悟していた。
「馬鹿。目移りなんてさせねぇよ、紗姫。」
遠くに吹き飛ばされた悟が立ち上がった。
「お前は、俺に溺れてろ。」
「ぷっ…聞いたか、今の?とんでもねぇ爆弾発言だぜ。そんな奴は…自らの発言で爆死しろってんだ。」
「…?」
榊は、ある物体を取り出した。