㈱恋人屋 ONCE!

「これで…いいんですか…?」
着てみると、案外サマになっている。何故か分からないが、私と長学ランは合っているらしい。
「じゃあ、後はこれだな。」
続いて手渡されたのは、紫の龍の絵が描かれた金属バットだった。
「武器だ。」
「武器…。」
私が武器を持つ日が来るとは、誰が予想できたであろう。
「よし、これで完成だな、紫龍組副総長・黒原紗姫が。」
「え…?」
紫龍組に入るとは言われていたけど…副総長?
「俺はいつか、お前を入れると決めてた。お前なら、副総長にふさわしいからな。」
私は固唾を飲んだ。不安と緊張が、私の心に渦巻いていた。
「副総長の就任式中、邪魔するぜ。」
誰かの声がした。声の方を見ると、そこには大量の人影がいた。