㈱恋人屋 ONCE!

「!」
私はある予測を立てた。
「あ、そうなんですか。ありがとうございましたっ!」
私は窓口の人に取ってつけたような礼を言うと、猛スピードで階段を駆け降りた。
「…やっぱり…。」
私の視線の先には、紫龍組がいた。
「えっと…指名されたのは、どちらの方でしょうか…?」
私はできるだけ朝の件のことを忘れているようなそぶりで尋ねた。だが…。
「総長!やっぱり、アイツですよ!さっき会った、アイツです!」
「あ?」
我修院が私の方を向く。見下したような目で、私を見つめる。
「やっぱり、お前か…。」
…完全に、バレてしまったようだ…。
「あ…さっきは、どうも…。」
「お前、ちょっと来い。」
「え…ひぁっ!」
私は返事する暇もなく、紫龍組に連行された…。