「えっと、ここです…。」
紫龍組の皆様は無言で会社に入って行く。私も、こっそりと後を追って出勤した。
「ふぅ…。」
「どうした、紗姫?朝からお疲れモードか?」
「はい…。さっき、ヤンキーに絡まれて…。」
「そうか…。こんなに早く起きれるんだったら、もっとまともな仕事をしろってのにな。」
「そ、そうですね…。」
その時、アナウンスが聞こえた。
「黒原紗姫さん、ご指名入りました。」
「…あれ?」
今日は確か、私達の班の営業日ではないはず…。
「何かあったのかな…?」
私は不審に思いながら、階段を下りて行った。
「何かあったんですか?」
途中通りかかった窓口担当の人に聞いてみる。すると、とんでもない答えが返ってきた。
「ヤンキー集団が、今日営業日でもない人を指名してたの。」