㈱恋人屋 ONCE!

「え、ちょっと…どういうことですか?」
「分かんねーけど…多分、どっかで撮られたんじゃねーか?それをテレビ局に持って行った奴がいたんだろ。」
「そん…な…。」
私はその場に座り込んだ。
私のせいで、流矢さんはマスコミに質問攻めにされることになるなんて。私のせいで、流矢さんに迷惑がかかるなんて。私のせいで…私のせいで…。
私の目からは、涙が滴り落ちていた。何故なのか、それは分からない。ただ、その涙は私の頬を濡らしていた。
「泣くなって。安心しろよ。諸星流矢って言えば、演技力でも一目置かれてる存在だぜ?きっと上手くまとめてくれるだろ。」
「…。」
私は、流矢くんの演技力に一縷の望みをかけることにした。
「…やっぱり私…向いてないのかな、この仕事…。」
「えっ?何か言った?」
「あ、いえ、別に…。」