「ちょっと、菜月くん。」
パソコンを操作しながら、私は菜月くんに問いかけた。
「何であんなこと言ったのよ…。」
すると菜月くんは、ぶっきらぼうに答えた。
「その方が楽だからに決まってんだろ。…まさか紗姫、俺がお前のこと好きだとかいう風に思ってたんじゃないだろうな?」
「そ、そんなこと…。」
そうだったら、嬉しくはあるが。
「お、予約入ってる…えっと…。」
菜月くんが再びパソコンに目を向ける。私もそれに合わせるかのように、パソコンに目を向けた。
「あ、私も来てる…って、えぇぇぇぇ!?」
ジャックくんの時より大きな叫び声を上げてしまった私。
「今度はどうしたんだ~?」
先輩達がわらわらと私のパソコンに群がる。
「えっと…『諸星流矢、26歳、芸能プロダクション“シャインズ事務所”所属、バンド“U&Us”のリーダー』…これ、本物か?」