オフィスにて。
「黒原紗姫さん、ご指名入りました。」
「お、ついに紗姫ちゃん、あの子とデートね?」
「はいっ!それにしても、あの人が私を、なんてびっくりですよ。」
「本当ね~。」
「あ~あ、俺も会ってみたいぜ、全く…。」
翔太先輩がペンを器用にクルクルと回しながら言う。
「下に行けば会えるじゃないですか。」
「お、その手があったか!」
「じゃあ、行ってきます!」
私は更衣室へ向かった。今日は、いつもより一層張り切って行かないと。
今日私がデートするのは一体誰かって?じゃあ、それを説明するために、話を三日前に戻そう…。