「こんなに楽しいことを…アイツは俺から…。」
大地くんの口から、独り言が漏れ出た。
「ん?どうしたの?」
「あ、いえ…何でもありません…。」
「そう…。」
何となく違和感を感じてはいたが、私はそんなことは気にせず仕事を続けた。
私達は、テラスでさっき買ったデパ地下スイーツを食べた。
「おいしそ~!」
昼食の時と同じセリフが私の口から出る。上にだけではなく、生地にすらもイチゴの入っているケーキの甘いピンクが、私の視神経を刺激する。大地くんの買ったケーキも、そこはかとなく美味しさが見て取れる。
「いただきま~す!」
その後、再び「同じセリフ」を言ったことは言うまでもない。