㈱恋人屋 ONCE!

「あの…私です。」
「お前か…。」
強盗が画面を見る。そしてその画面を、私にも見せた。
「これ、誰だ?」
画面には…真守さんの番号が。
「えっと…それは、その…。」
「警察か?」
銃口は私の額を確実に狙っていた。
「は、はい…。」
「何で警察の電話番号がここにあるんだ?」
「その…お客様、なんです…。」
「警察を客扱いってか。…よし、タイマーが鳴ったら、お前から殺す。せめて名前だけでも覚えてやろう。名前は?」
「黒原…紗姫です。」
「黒原紗姫か。」
強盗がタイマーを確認する。残り十五分。
「十五分後、黒原紗姫の公開処刑を行う。」