㈱恋人屋 ONCE!

「これで全員だな。」
私達は腕を結束バンドで縛られ、窓口の内側に監禁された。
「いいか?これから警察に電話する。逃走用の車を用意してもらうためだ。それから三十分俺達は待つ。三十分たっても車が来なかった場合、お前らの中から誰か一人を殺す。」
「そんな…。」
「おい、やめてくれ!」
「子供が幼稚園にいるの!」
口々に叫ばれる懇願の声を、またしても銃声が鎮めた。
「どうせお前らには何もできねーんだ。ケータイは俺達が預かったから110番はできねーし、俺達の顔は覆面で隠れてるからな。」
「おい、ケータイは預かったんじゃない。俺達の管理下になったんだよ。」
「お、そうだったな。」
強盗たちの笑い声が銀行内に響く。私は、命の危機にさらされたのだった…。