㈱恋人屋 ONCE!

「ん?」
ほとんど軍資金が残っていなかった。
「あ…金欠?」
「はい…。」
その時、頭の中を明細が駆け巡った。
「そうだ、私、銀行に行ってきます!明細もらったんで、降ろしますね。」
「でも、それって…。」
「大丈夫です。後で会社に言えば、その分は経費になりますから。…じゃあ、行ってきます。ちょっと待ってて下さいね。すぐ戻りますから。」
そう真守さんに言い残して、私は銀行まで走った。そして、これが事件の引き金となるということを、私には知る由もなかった…。