㈱恋人屋 ONCE!

そして、マウスの遺伝子を私の遺伝子とどうにかこうにかして、実験の準備が終了した。
「あとは、待つだけなんですよね?」
「ああ。それにしても、結構時間かかったよな…。」
時計を見ると、もう午後九時。部屋の中は電気が煌々とついていたが、もう国枝さん達は帰っていた。
「あの…。」
「あ?」
「確か期間が、明日の昼までになってたと思うんですけど…。」
「それが?」
「いえ、その、何で明日もなのかな~って…。」
「明日も?そうじゃなくて、明日まで一緒だっての。」
「…?」
「だーかーら、俺と一緒に寝ろってことだよ。」
「…へ?」
頭の中で、さっきの言葉を何度も繰り返してみる。「一緒に寝ろ」「一緒に寝ろ」「一緒に寝ろ」…。
波乱の夜が、幕を開けようとしていた…。