㈱恋人屋 ONCE！

「んっ…ちょっ…！」
理さんが私を強く抱きしめる。その体温が、体を、そして唇を通して伝わってくる。
恋人師になってからというもの、確かにキスをする回数は増えた。だけど、こんなに熱いキスは初めてだった。
「んんっ…！」
ますます熱くなってくる私の体から離れ、理さんが言った。
「こうやって俺とお前がキスするだけで、もう俺の唇にお前の遺伝子はくっつくんだ。」
「あ…。」
キスが実験のためだと分かって、ホッとしたような、少し寂しいような…。
「さてと、じゃあ遺伝子採取な。」
…どうやら、実験のためじゃなかったらしい。となると、さっきのは…？いやいや、まさか。こんな俺様イケメンに、なんて馬鹿な想像はやめなさい、紗姫。
「おい、何ボーっとしてんだよ。遺伝子取るから口開けろって。」
「あ、はい…。」