そんな二人に注意され、ふてくされながらもやっと哉碼は口を開いた。


「はよ。」

それでもそっけないことはそっけないが。

「藤沢君は、照れ屋なだけです。」


絵梨に指摘され頬を赤らめた哉碼は、

「なわけねぇだろ」

と呟いてそっぽを向いてしまった。

が、それを放っておくような質の二人ではないようで、


「なに照れてんのー。可愛いー。」

「藤沢君、照れてるんですか?」


と、突っ込んでいた。
里美には、可愛いとまで言われた哉碼。

思春期真っ盛りの少年には痛い言葉だろうそれに、更にぶぅたれた哉碼はもう先を歩いていってしまった。

「ふふっ。」

思わず笑いがこぼれる。
この人達とならなんとかやっていけそうだ。