その言葉に、過去に何かあったのか と、思った。 でも、聞くなんてできなかった 沙由の目が、本当に悲しそうだったから 「…はい」 「敵が誰であろうと、躊躇してはダメ 躊躇してると、大切なものを失うよ これ、私の経験論。」 そういって、バルコニーの椅子に座った 沙由の隣に腰掛ける 「…沙由、今日はお疲れ様でした」 「うん…」