いかにも余裕そうな沙由に少し苛ついた だから、狭いトイレで両手を塞いでやった 「…そんな人じゃない。」 はっきり俺を捉えた沙由に、 1本取られた。 じゃ、よろしく。と、沙由は出て行った ―俺の高鳴る胸を 知ってか知らずか……………― …バカ。俺はこんなやつ好きじゃねえ 俺が好きなのは… ……………… 「川崎 羽衣。」 声に出して、自分に言い聞かせた。 羽衣を助けるために。 仕方なく沙由に近づくんなら、 …………いいよな?