その切ない顔に、違和感を抱いた


「お前のことについて、聞きたい」


そう言うと、女の瞳が少し揺れた


「…私?(なにを疑ってるの?)


 私は、神山沙由。8月5日うまれ。


 五丁目に住んでいるの


 両親は他界。原因は事故。


 いまは、引き取ってもらっているの。


 川崎財閥とは関係ないけど、


 いまの両親は間接的に川崎財閥と


 契約を結んでいたと思うよ。」