―黒百合



 この手紙を見つけている頃、




 この家は蛻の殻と化しているでしょう




 私たち異人は、みんなの幸せを




 少しずつ奪っていることに気がついた




 そして、水仙との揉め事から




 川崎家の血の引き継がれる者である



 
 私達の影が世間から見え隠れしだした




 そうなれば、



 近くにいるあなた達の命はないだろう




 私たちは、3人で隠れて暮らそうと思う




 そして、同じ境遇の人を守り、




 そして、組織を構成しようと思っている



 
 だからこそ、お別れだ。




 こんな別れになって、本当に申し訳ない




 私達の代わりと言っては何だが




 白珠がここに住むことになった




 本当に勝手で仕方ない



 勿論、出て行くことは知らない。
 


 こんな私を嫌いになってもいい



 
 だけど、私はまだ………………




 睡蓮―





私はまだ、の部分は、



涙のせいか滲んで見えなかった