白珠は嗚咽を零していた



「…そうそう、知っていますよ。



 水仙こと、川崎 賢人(かなと)さん




 貴方の両親は、



 睡蓮さんのご両親の賄賂に気が付いた



 止めた。止めろ。と、



 でも、それと逆手に取って



 睡蓮さんのご両親は



 賢人さんのご両親を天に召した…




 そうでしょう?」




水仙の本名、賢人という名を聞きながら




僕は話しの筋を見ていた



「何故、それを?」



「睡蓮さんが、教えてくれたのです。



 そして、私は無力だった



 と、ずっと俯いていらっしゃいました



 きっと、賢人さんを本物の



 家族だと思い慕っていたのでしょう」