「石田君、どうしたの?」
急に入ってきた俺に驚く優。
しかも、こんな時間だし、余計だな。


ってか、石田君ってまた呼んでるし。



「こんなにコーヒーを飲んでやっている仕事は俺とのか?」


「……はい。」
弱気な返事が返ってきた。


行き詰まっているなら言ってくれれば、俺だって何かできたかもしれないのに。


「いや、でもね、とりあえずもう一回初めから見直してみようと思って。そしたら、 “あと少し足りない”ってのは見えてくるかもって。」


「でも、こんなにコーヒー飲んでも、それは見えてこなかったんだろ?」


俺はどうしても、強く言うことしか出来なかった。


「怒ってるの?」
それを察してか、優は困ったような悲しそうな顔になった。


「怒ってない。
でも、一緒に仕事をしているんだから、困ったときは言ってほしい。
ってか、困った事じゃなくても、なんでも相談してほしいんだ。」


「石田君、課長だから、忙しいとおもってさ……。」


「俺は課長の仕事と同じくらい、もしかしたら、それよりも優との仕事の方が大事だと思ってる。」


勢いで、いろんな事言ってるが、もう止められない。