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「ありがとう。お疲れ様でした。」
早乙女が少し申し訳なさそうに、そう言った。
別に鍵を返すくらいなんでもない。
久しぶりに笑えたしな。
早乙女との打ち合わせも終わり、総務での用事も済ませ、俺は営業部へ戻る。
はじめの敬語には驚いたが、やっぱり早乙女は昔と変わってなかった。
営業部へ戻る途中、企画室の前を通った。
早乙女は、もう自分のデスクに戻っただろうかと、ドアから中を覗いた。
早乙女はいた。
……そして、そこには第1営業課の石田もいた。
またかよ!
なんだよ!仕事しろよ!
2人の姿を見ながら俺はイライラしていた。
