しかしある日絵描きは倒れた。 ここ数日ろくなものを食べてないからだ。 冬のこの寒さに耐えられず、絵描きの体はボロボロだった。 絵描きは最後の手紙を書いて、俺にこう言った。 「走って、走って、こいつを届けてくれ。夢をみて飛び出した僕の帰りを待つ恋人へ。」