「ルール上できるんで…
…オレ走れます」


 優斗が言った。

 無理に決まってるよ。


「ダメだよ、そんなケガでは走れるわけ「走れんだよ、諦めさえしなきゃいいから見てろ」


 『走れりるわけないよ』と言おうとしたのに優斗が割り込んで言った。




 そして予選が始まった。


「位置についてよ──い」


 パンッ

 ピストルがなり、いっせいに走りだした。