万里side



[生きてるってことは……ちゃんと意味があるんだから]


あいつの言葉が何故かひっかかる


「............」


「万里!!どうしたの?ボーッたして
昨日からなんか変だよ万里兄ぃ......」

「蒼......その呼び方やめろ
お前の兄貴はアイツだけだろ」


そうだ、こいつの゙兄貴゛はアイツだけなんだ


「...あれからもう5年もたつんだ......
もうすぐお兄ちゃんの命日だね」

「......私、最近こわいの」


「............こわい?」


俺はそう聞き返した。


「お兄ちゃんの声とか笑った顔とか......
どんどん記憶がうるれていくような気がして、お兄ちゃんが消えてくようで......」

「そのうちお兄ちゃんのこと忘れちゃうのかな、万里はどこにもいかないよね
ずっとわたしのそばいいてくれるよね」


「............うん...」