あたしが顔を熱くしながらそう言うと矢沢君は一瞬驚いた様に目を見開いて、そこから「ふっ」と小さな笑みを零した。
「あの、えっと……」
「さんきゅ」
「………っ」
不意に矢沢君の手がこっちに伸びて来たかと思えば、頭をポンポンと軽く撫でられた。
あたしはそんな矢沢君の行動に、心臓がドクンと大きく跳ね上がる。
「…いや、あの。あたしが作りたかっただけだから……」
「ああ。嬉しい」
「……っ」
いつもあまり思った事は口に出さないくせに、今日に限って直球ストレートな言葉をあたしに掛けて来る矢沢君にあたしはドキドキしてしまう。
「あ。何処で食べる?」
「……ああ。あそこのベンチで良いんじゃねぇの。あったかそうだし」
「あ、うん。そうだね」

