「大体、安全ベルトが腰に巻くだけって超危ない!もし落ちたりしたらどうするの!」
あたしが声を荒げてそう言うと、矢沢君は珍しく「ぶはっ」と噴き出して、「考え過ぎだ」と笑いながらあたしの額をコツンと叩いて来た。
あたしはついそんな矢沢君の笑顔と行動に心臓がキュンキュンして、矢沢君のさっきの笑顔を写メで撮れば良かったと本気で後悔した。
その後、あたしと矢沢君は色々な乗りものに乗って、めいいっぱい楽しんだ。
楽し過ぎると時間はあっという間に過ぎて行くもので、ふと携帯の時間を見てみればディスプレイには12時半と表示されてあった。
「あ。矢沢君、もうお昼だよ」
「ああ。丁度腹が空いて来たと思ってたところだ」
「うん。どうする?もうお昼にする?」
「ああ、そうだな。どの道お昼は混んでるし、腹が鳴る前に済ましとこうぜ」
「あ、えっと」
完璧レストランか何処かで買って食べようと思っている矢沢君に、あたしは勇気を出して「あのね」と口を開いた。
「何?」
「あ、あの。レストランなんか入らなくて良いよ。……あたし、今日お弁当作って持って来てるから」

