「…え、土曜日?どうして?」
あたしが少し小声になりながらもそう言うと、矢沢君はちょっと躊躇ったような顔をして「これなんだけど」といきなり一枚の封筒をあたしに手渡して来た。
「……何?これ」
そっと手渡された縦長の封筒に、あたしはもう一度首を傾げる。
「見れば分かる」
だけど矢沢君は相変わらずの素っ気なさであたしにそれだけ返して来るだけなので、あたしは受け取った封筒の中身をそっと取り出した。
「え。これ…」
「……行きたくなかったら、捨てて良い」
「え。矢沢く、」
まさにいきなり過ぎる予想外な出来事に、あたしはちょっぴりパニックを起こす。
「えっと、これって」
「お前、こういうの好きだろうと思って」
「……っ」
どうしよう。唐突過ぎて嫌でも胸が熱くなる。飛んだサプライズだと思う。
矢沢君に手渡された封筒の中身には、大きな字で"遊園地"と書かれたチケットが一枚入ってあった。

